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  1. 熊本県議会 1989-02-01
    02月27日-01号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    平成 元年 2月 定例会┌──────────────────┐│  第 一 号(二月二十七日)   │└──────────────────┘ 平 成 元 年  熊本県議会二月定例会会議録    第一号──────────────────────────平成元年二月二十七日(月曜日)   ─────────────────────   議事日程 第一号  平成元年二月二十七日(月曜日)午前十時開会 第一 会議録署名議員の指名 第二 会期の決定 第三 知事提出議案の上程(第一号から第九十二号まで) 第四 知事の説明 第五 人事委員会の意見 第六 常任委員会に付託(第一号から第十五号まで及び第四十三号から第五十三号まで) 第七 休会の議決   ─────────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 会議録署名議員の指名 日程第二 会期の決定 日程第三 知事提出議案の上程(第一号から第九十二号まで) 日程第四 知事の説明 日程第五 人事委員会の意見 日程第六 常任委員会に付託(第一号から第十五号まで 及び第四十三号から第五十三号まで) 日程第七 休会の議決   ──────────○──────────出席議員(五十二名)                 大仁田 貞 夫 君                 高 野 誠 一 君                 吉 本 賢 児 君                 村 上 寅 美 君                 草 村   照 君                 松 村   昭 君                 鬼 海 洋 一 君                 本 田 良 一 君                 久 保 立 明 君                 福 村 三 男 君                 前 田 貞 治 君                 小早川 宗一郎 君                 岩 下 榮 一 君                 前 畑 淳 治 君                 野 田 将 晴 君                 荒 木 詔 之 君                 島 田 幸 弘 君                 中 島 絹 子 君                 中 島 隆 利 君                 島 津 勇 典 君                 大 西 靖 一 君                 倉 重   剛 君                 山 本   靖 君                 渡 辺 知 博 君                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 三 角 保 之 君                 山 本 秀 久 君                 永 田 健 三 君                 堀 内 常 人 君                 八 浪 知 行 君                 鏡   昭 二 君                 髙 田 昭二郎 君                 古 閑 一 夫 君                 大 森   豊 君                 馬 場 三 則 君                 古 閑 三 博 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 金 子 康 男 君                 広 瀬 博 美 君                 柴 田 徳 義 君                 米 原 賢 士 君                 永 田 悦 雄 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 小 谷 久爾夫 君                 水 田 伸 三 君                 今 井   洸 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(三名)                 水 野 秀 昭 君                 池 田 貞 俊 君                 小 材   学 君    ───────────────────説明のため出席した者          知事     細 川 護 熙 君          副知事    山 内   新 君          出納長    伴   正 善 君          総務部長   佐 藤 達 三 君          企画開発部長 五 味 廣 文 君          福祉生活部長 小 澤   豪 君          衛生部長   星 子   亘 君          公害部長   佐 藤 幸 一 君          商工観光労働          部長     森   弘 昭 君          農政部長   木 村 剛 勝 君          林務水産部長 藤 門 豊 明 君          土木部長   小 野 満 司 君          公営企業          管理者    道 越   温 君          教育委員会          委員長    安 永 蕗 子 君          教育長    松 村 敏 人 君          警察本部長  清 島 傳 生 君          人事委員会          委員長    成 瀬 和 敏 君          監査委員   木 原 章 三 君    ───────────────────事務局職員出席者          事務局長   大 山 清 勝          事務局次長  田 端 穂 積          議事課長   山 下 勝 朗          議事課長補佐 宮 崎 博 次      ───────○───────  午前十時四十七分開会 開議 ○議長(米原賢士君) ただいまから平成元年二月熊本県議会定例会を開会いたします。 これより本日の会議を開きます。      ───────○─────── △議長の報告 ○議長(米原賢士君) まず日程に入る前に、ここに謹んで、去る一月七日崩御あらせられた昭和天皇の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに御報告申し上げます。 去る一月八日の弔詞奉呈については既に御通知申し上げたとおりでありますが、私は、一月二十一日、皇居正殿・松の間において殯宮拝礼の儀に参列し、また二月二十四日、新宿御苑でとり行われた大喪の礼に参列いたしましたのでここに御報告申し上げます。      ───────○─────── △諸般の報告 ○議長(米原賢士君) 次に、閉会中における諸般の報告をいたします。 内容については、議席に配付のとおりであります。  〔諸般の報告は付録に掲載〕      ―――――――○―――――――就任あいさつ ○議長(米原賢士君) 次に、去る十二月定例会において任命同意になりました教育委員会委員及び議会の選挙で当選されました選挙管理委員会委員並びにさきの人事異動で就任されました農政部長及び教育長から、あいさつの申し出があっておりますので、この際これを許します。 教育委員会委員中上幸君。  〔教育委員会委員中上幸君登壇〕 ◎教育委員会委員(中上幸君) 十二月の議会におきまして御承認をいただきまして、教育委員会の委員に任命をいただきました中上幸でございます。御期待に沿うことができますように努力してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(米原賢士君) 選挙管理委員会委員舞田邦彦君。  〔選挙管理委員会委員舞田邦彦君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員(舞田邦彦君) 委員長の舞田邦彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(米原賢士君) 選挙管理委員会委員佐藤慶子君。  〔選挙管理委員会委員佐藤慶子君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員(佐藤慶子君) 佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(米原賢士君) 選挙管理委員会委員田邊寛三郎君。  〔選挙管理委員会委員田邊寛三郎君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員田邊寛三郎君) 田邊でございます。よろしくお願いします。(拍手) ○議長(米原賢士君) 選挙管理委員会委員北古賀勝幸君。  〔選挙管理委員会委員北古賀勝幸君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員北古賀勝幸君) 北古賀でございます。よろしくお願いします。(拍手) ○議長(米原賢士君) 農政部長木村剛勝君。  〔農政部長木村剛勝君登壇〕 ◎農政部長(木村剛勝君) 去る一月十七日付をもちまして農政部長を命ぜられました木村でございます。今後ともよろしく御指導のほどお願いを申し上げます。(拍手) ○議長(米原賢士君) 教育長松村敏人君。  〔教育長松村敏人君登壇〕
    ◎教育長(松村敏人君) 一月十七日付をもちまして教育長を拝命いたしました松村でございます。よろしく御指導、御鞭撻いただきますようお願い申し上げます。(拍手)      ───────○─────── △永年勤続議員に対する熊本県議会の表彰及び知事の感謝状贈呈 ○議長(米原賢士君) 次に、熊本県議会永年勤続議員に対する熊本県議会の表彰を行います。 なお、知事細川護熙君から、被表彰議員に対し、感謝状を贈呈したい旨の申し出があっておりますので、あわせてこれを行います。 被表彰者は、三十年勤続議員、小谷久爾夫君であります。 小谷久爾夫君は演壇の前に出ていただきます。  〔小谷久爾夫君演壇前に出る〕 ○議長(米原賢士君)     表  彰  状                小 谷 久爾夫 殿 あなたは本県議会議員として三十年以上にわたり県民の負託にこたえ地方自治発展のため多大の貢献をされましたここにその功績をたたえ表彰します   平成元年二月二十七日                熊 本 県 議 会  〔表彰状及び記念品贈呈〕  〔拍手〕    ────────────────── ◎知事(細川護熙君)     感  謝  状                小 谷 久爾夫 殿 あなたは三十年以上にわたり熊本県議会議員として県民の負託にこたえよく県勢の発展に寄与されましたその功績はまことに大なるものがありますよってここに深く感謝の意を表します   平成元年二月二十七日            熊本県知事 細 川 護 熙  〔感謝状贈呈〕  〔拍手〕      ―――――――○――――――― △日程第一 会議録署名議員の指名 ○議長(米原賢士君) 次に日程に従いまして、日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第百九条の規定により、山本靖君、倉重剛君、永田健三君、以上三人を指名いたします。      ―――――――○――――――― △日程第二 会期決定の件 ○議長(米原賢士君) 次に日程第二、会期決定の件を議題といたします。 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から三月二十四日までの二十六日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米原賢士君) 御異議なしと認めます。よって、会期は二十六日間とすることに決定いたしました。      ―――――――○――――――― △日程第三 知事提出議案第一号から第九十二号まで ○議長(米原賢士君) 次に日程第三、知事提出議案第一号から第九十二号までを一括して議題といたします。 議案及び報告事項は、議席に配付のとおりであります。   ―――――――――――――――――――― 第一号 昭和六十三年度熊本県一般会計補正予算(第五号) 第二号 昭和六十三年度熊本県中小企業振興資金特別会計補正予算(第三号) 第三号 昭和六十三年度熊本県用品調達基金管理事業特別会計補正予算(第二号) 第四号 昭和六十三年度熊本県立高等学校実習資金特別会計補正予算(第一号) 第五号 昭和六十三年度熊本県港湾整備事業特別会計補正予算(第三号) 第六号 昭和六十三年度熊本県臨海工業用地造成事業特別会計補正予算(第二号) 第七号 昭和六十三年度熊本県用地先行取得事業特別会計補正予算(第二号) 第八号 昭和六十三年度熊本県中小企業従業員住宅事業特別会計補正予算(第二号) 第九号 昭和六十三年度熊本県林業改善資金特別会計補正予算(第三号) 第十号 昭和六十三年度熊本県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算(第二号) 第十一号 昭和六十三年度熊本県市町村振興資金貸付事業特別会計補正予算(第一号) 第十二号 昭和六十三年度熊本県流域下水道事業特別会計補正予算(第二号) 第十三号 昭和六十三年度熊本県高度技術研究開発基盤整備事業等特別会計補正予算(第二号) 第十四号 昭和六十三年度熊本県病院事業会計補正予算(第三号) 第十五号 昭和六十三年度熊本県工業用水道事業会計補正予算(第三号) 第十六号 平成元年度熊本県一般会計予算 第十七号 平成元年度熊本県農業改良資金特別会計予算 第十八号 平成元年度熊本県中小企業振興資金特別会計予算 第十九号 平成元年度熊本県母子福祉資金特別会計予算 第二十号 平成元年度熊本県用品調達基金管理事業特別会計予算 第二十一号 平成元年度熊本県収入証紙特別会計予算 第二十二号 平成元年度熊本県立高等学校実習資金特別会計予算 第二十三号 平成元年度熊本県不知火・有明・大牟田地区新産業都市建設協議会特別会計予算 第二十四号 平成元年度熊本県港湾整備事業特別会計予算 第二十五号 平成元年度熊本県臨海工業用地造成事業特別会計予算 第二十六号 平成元年度熊本県用地先行取得事業特別会計予算 第二十七号 平成元年度熊本県中小企業従業員住宅事業特別会計予算 第二十八号 平成元年度熊本県寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 第二十九号 平成元年度熊本県中小企業設備貸与事業特別会計予算 第三十号  平成元年度熊本県育英資金貸与基金特別会計予算 第三十一号 平成元年度熊本県水俣湾等堆積汚泥処理事業特別会計予算 第三十二号 平成元年度熊本県林業改善資金特別会計予算 第三十三号 平成元年度熊本県のチッソ株式会社に対する貸付資金特別会計予算 第三十四号 平成元年度熊本県沿岸漁業改善資金特別会計予算 第三十五号 平成元年度熊本県市町村振興資金貸付事業特別会計予算 第三十六号 平成元年度熊本県流域下水道事業特別会計予算 第三十七号 平成元年度熊本県高度技術研究開発基盤整備事業等特別会計予算 第三十八号 平成元年度熊本県病院事業会計予算 第三十九号 平成元年度熊本県電気事業会計予算 第四十号  平成元年度熊本県有料道路事業会計予算 第四十一号 平成元年度熊本県工業用水道事業会計予算 第四十二号 平成元年度熊本県有料駐車場事業会計予算 第四十三号 工事請負契約の変更について 第四十四号 工事請負契約の変更について 第四十五号 工事請負契約の変更について 第四十六号 工事請負契約の変更について 第四十七号 工事請負契約の変更について 第四十八号 有料道路「別府阿蘇道路」の事業変更について 第四十九号 河川法第四条第一項の規定による一級河川の指定に関し意見を述べることについて 第五十号  熊本県学校医、学校歯科医及び学校薬剤師公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十一号 工事請負契約の締結について 第五十二号 工事請負契約の締結について 第五十三号 専決処分の報告及び承認について 第五十四号 熊本県の休日を定める条例の制定について 第五十五号 熊本県職員の勤務時間に関する条例等の一部を改正する条例の制定について 第五十六号 熊本県技能労務職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について 第五十七号 熊本県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十八号 熊本県職員等の旅費に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十九号 県立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について 第六十号  消費税法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について 第六十一号 熊本県税条例の一部を改正する条例の制定について 第六十二号 熊本県立劇場条例の一部を改正する条例の制定について 第六十三号 全国自治宝くじ事務協議会への仙台市の加入及びこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について 第六十四号 当せん金付証票の発売について 第六十五号 町の境界変更について 第六十六号 阿蘇広域行政事務組合公平委員会の事務の委託を受けることについて 第六十七号 熊本県福祉総合相談所条例の制定について 第六十八号 熊本県立保育大学校条例の一部を改正する条例の制定について 第六十九号 熊本県身体障害者更生施設条例の制定について 第七十号  熊本県健康センター条例の一部を改正する条例の制定について 第七十一号 熊本県旅館業法施行条例の一部を改正する条例の制定について 第七十二号 熊本県特定食品衛生条例の一部を改正する条例の制定について 第七十三号 熊本県ふぐ取扱条例の一部を改正する条例の制定について 第七十四号 熊本県へい獣処理場等に関する法律施行条例の一部を改正する条例の制定について 第七十五号 熊本県動物管埋条例の一部を改正する条例の制定について 第七十六号 熊本県精神衛生センター条例の一部を改正する条例の制定について 第七十七号 工事委託契約の締結について 第七十八号 熊本県伝統工芸館条例の一部を改正する条例の制定について 第七十九号 熊本県工業技術センター条例の一部を改正する条例の制定について 第八十号  熊本県沿岸漁業近代化促進基金条例を廃止する条例の制定について 第八十一号 熊本県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第八十二号 熊本県病害虫防除所等に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第八十三号 熊本県改良普及員資格試験条例の一部を改正する条例の制定について 第八十四号 熊本県蚕業改良普及職員資格試験条例の一部を改正する条例の制定について 第八十五号 熊本県食品加工研究所条例の一部を改正する条例の制定について 第八十六号 熊本県農業研究センター条例の制定について 第八十七号 熊本県都市公園条例の一部を改正する条例の制定について 第八十八号 工事請負契約の締結について 第八十九号 熊本県立美術館条例の一部を改正する条例の制定について 第九十号  熊本県警察の職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第九十一号 熊本県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例の制定について 第九十二号 自動車保管場所証明書交付手数料徴収条例の一部を改正する条例の制定について 報告第一号 専決処分の報告について      ―――――――○――――――― △日程第四 知事の説明 ○議長(米原賢士君) 次に日程第四、ただいま議題といたしました議案に対する知事の説明を求めます。知事細川護熙君。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) まず最初に、去る二十四日に挙行されました大喪の礼に県民を代表して出席し、哀悼の意を表してまいりましたことをここに御報告申し上げます。 次に、今回の定例県議会に提案いたしております議案の説明に先立ちまして、県政運営に取り組む基本的な姿勢について、その所信の一端を申し述べたいと存じます。 県政をお預かりして六年、この間、微力ではございますが、熊本を全国に誇れる郷土にしたいと願い、さまざまな角度から地域づくりに取り組んでまいりました。 おかげをもちまして、こうした取り組みも着実に実を結びつつあるわけで、これもひとえに、県議会を初め県民各位の御支援のたまものと改めて感謝を申し上げる次第であります。 今、国においても、ふるさと創生を目指して各種の施策が展開されておりますが、魅力ある地域づくりは国に頼るだけでは当然限界があるわけでありまして、これからは、それぞれの地域が、いかに知恵を絞って人を引きつける魅力のある地域をつくり上げることができるかにかかっていると思っております。 ともあれ、私としては、平成元年のことしも、明日へのシナリオをさらに掘り下げて、所期の目標達成に向かって着実な歩みを進めてまいりたいと存じます。 その具体的取り組みとして掲げております一〇〇のターゲットにつきましても、常に点検と反省を加えながら、それぞれの進捗状況をわかりやすく県民各位にお示しをしてきたところでございますが、前回公表時から既に二年余りが経過し、この間、社会経済情勢も相当に変化が見られることから、このほどその見直し作業を実施し、今回は、特に農業を初めとする一次産業対策の充実、快適な生活環境を目指すアメニティーの先進県実現のための各種対策の強化、県南地域の振興を初めとする県土の均衡ある発展を目指す取り組みなどを主にその改定をいたしたところでございます。 ところで、ただいま申し上げたことを実現してまいりますためには、国と地方との関係において、とりわけ権限移譲と財源の配分を伴う思い切った地方分権の確立がぜひとも必要でありますが、この件につきましては、新行革審がスタートしたことでもあり、地方の主張をぜひともくみ上げてもらうべく、今後とも機会あるごとに国に対し、繰り返し主張を重ねてまいりたいと思っておりますので、よろしく御支援のほどお願いを申し上げます。 次に、農業問題についての基本的な取り組みについて御説明申し上げます。 農業を取り巻く情勢は、消費の伸び悩み、農産物の供給過剰ないし需給緩和、あるいは価格の低迷に加えて牛肉・オレンジの自由化決定とまことに容易ならざるものがあります。 この局面に臨み、本県の農業が、将来とも我が国の食糧供給基地として一層重要な役割を担って、本県経済の基盤をなす産業としてその役割を果たしていくためには、何といっても農業自体の構造転換をいかに早く進めていくかということが最も重要な課題だと認識をいたしております。 今日、本県農業が直面している大きな課題は、何と申しましても牛肉・オレンジの自由化対策とうまい米づくりの問題でありますが、いずれも本県農業の基幹的役割を担っている農産物でありますだけに、今後は、発想の転換を図って将来を見越した思い切った対策が必要であると考えております。 まだ具体例をここで申し上げるまでには至りませんが、例えば海外市場の開拓や冷凍米飯等米加工製品の供給、むき身アマナツ完熟果実生産のための施設栽培の生産振興など、従来にも増して消費者嗜好を考慮した生産供給体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 また、四月一日にオープンいたします農業研究センター(仮称)につきましては、本年を研究元年と位置づけ、バイオテクノロジーを活用した研究開発、米の新品種の育成など本県独自の研究開発に取り組んで、関係者の御期待に沿える機能を発揮できるようにしてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、この難局を乗り越えて本県の基幹産業である農業を発展させるためには、農業者並びに農業関係の方々が、的確な問題意識と計画的な取り組みをしていただくことが何よりも肝要でありますし、今後とも関係者の皆さんともどもに、活力ある本県農業の構築を目指してあらゆる努力を積み重ねてまいりたいと思っております。 次に、公益信託くまもと二十一ファンド(仮称)の設定について御説明申し上げます。 文化・国際交流、地域おこしなどの分野で民間の方々の活動が活発化してまいっている昨今、私はかねてから、行政がこういった活動を側面から支援することによって、より効果を上げていただき、ひいては本県の地域づくりに資する方策がないものかと種々検討を進めてまいりましたが、その結果、公益信託制度は、財団法人を設立する場合に比べ、管理的経費を節減できること、官民一体となって知恵を出し合った地域づくりを進めるのに適していることなど、幾つかのすぐれた特性を有していることがわかってまいりました。そこで、この際、行政と民間がともに知恵を出し合い、資金を極力有効に活用しながら、民間活動の支援を行っていく手法として公益信託の設定を行うことといたした次第でございます。 今回予算案の中で提案しております公益信託の規模は、二十一世紀へ向けた熊本づくりをみんなの手でという願いを込めて二十一億円を予定し、信託による事業目的としては、文化振興、国際交流、地域間交流を三本の柱と考えております。 このファンドを活用することで、行政が住民の自主的、創造的な活動を支援することができ、さらに、行政の手が十分行き届かない分野に積極的なボランティア活動が出動するという熊本型地方自治が実現できるものと期待をし、その運営に心がけてまいりたいと考えております。 次に、九州新幹線と湯前線問題についてでございますが、九州新幹線につきましては、一月十七日の政府・自民党で組織された整備新幹線建設促進検討委員会において、東北、北陸ルートとともに難工事部分の同時着手が実現できましたことは、新幹線建設に向けて一歩前進であると受けとめております。 ただ、鹿児島ルートの着工は、でき得れば熊本県内でとお願いをしてきたところでありますが、他ルートと同様に、長大トンネルという技術的な理由で、鹿児島県内の第三紫尾山トンネルに決定されたことは御承知のとおりであります。 また、建設財源の地域負担については、線路などは一〇%、駅部などは二五%ということでありますが、これについては、極力地元負担が少なくなるような財源措置がとられるよう要望してまいります。 いずれにしても、今後は一日も早い全線建設が実現するよう、引き続き努力をいたしてまいります。 また、湯前線につきましては、本年十月一日から第三セクター「くまがわ鉄道」として開業することになっており、そのための新会社がこの四月には発足することになっております。 このため、県といたしましても、新会社の経営安定を図るべく、これまでにも県議会に御相談してまいったところでありますが、今回基金補助として一億七千万円を計上いたしましたほか、二月補正予算の中でも、イベント列車購入に対して、宝くじ助成事業を活用し、五千万円の補助を行って支援することにいたしております。御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。 次に、かねてから県民の方々からも御要望の強かった熊本―東京間の増便問題につきましては、県議会にも格別の御支援をいただきながらその実現に努めてまいったところでございますが、今般、日本エアシステムによる一便増の決定を見、これにより東京へのアクセスが一層便利になり、熊本空港活性化にもつながるものと考えております。 今後は、日本エアシステムに対し、利用しやすい時間帯での運航をぜひお願いしてまいりたいと考えております。 次に、近年県民の間で関心が高まりつつある地下水の保全を初めとする水問題について申し上げます。 質、量の両面で全国に誇れる資源であります本県の水について、生活の多様化、産業活動の進展などに伴い、特に熊本市やその周辺地域において、湧水量の減少や地下水位の低下といった問題が生じてまいっており、また水質についても、有機塩素系化合物による地下水汚染や生活排水等による都市部中小河川の水質汚濁などの問題が生じてまいっております。 このような状況に対処するためには総合的な対策を講ずる必要がございまして、まず水資源の確保対策として、ダムなどによる水資源の開発、水源涵養の基盤である森林の整備を進め、また地下水の保全については、節水・合理化や人工涵養などの量的な保全対策、地下水質保全要綱に基づく質的な面での保全対策や下水道の整備を一層進めることといたしております。 また、河川などの浄化対策といたしましては、下水道未整備地域などに合併処理浄化槽などの普及を図るために、新年度から他府県に先駆けて新たに融資制度を設けるほか、家庭における実践指導を推進する生活排水対策ボランティアリーダーの育成を行うなど、ハード、ソフトの両面から河川の浄化を図ってまいりたいと考えております。 さらに、地下水の保全などに関する重要な事項を審議するために、熊本県地下水条例に基づいて設置されている地下水審議会の運営を充実し、地下水の質、量両面の保全対策についての意見を幅広くお聞きしてまいりたいと考えております。 また、豊かで潤いのある快適な生活環境の創造という観点から、水を生かした潤いのある地域環境の整備にも一層配慮してまいりたいと考えております。 次に、水俣病問題について御説明申し上げます。 この問題につきましては、県政の重要課題として位置づけ、県議会を初め関係各位の御支援を賜りつつ、その解決に向けた努力を重ねてまいっているところでございますが、おかげをもちまして、認定業務は、検診体制の強化など総合的な促進策を講じました結果、検診に応じないなどの特別の事情にある方々を除けば、おおむね先行きの見通しが立ってまいったところでございます。 また、水俣湾公害防止事業の方も順調に推移しており、予定どおり平成元年度には事業の完了を迎えることになりますし、今後は、水俣湾埋立地の活用策が地域振興を図っていく上での大きな課題であると認識をいたしております。 このように、水俣病問題は解決に向けて一歩一歩展望が開かれつつあるとはいえ、残された課題があるのも事実でございまして、平成元年度を節目の年度、水俣再生への新しい出発点と位置づけ、具体的な施策を提示しながら水俣病対策の展開を図ってまいりますので、県議会の一層の御協力と御支援をお願い申し上げる次第であります。 次に、土曜閉庁について御説明申し上げます。 真の豊かさを実感できる国民生活を実現するため、政府においては、国全体として労働時間を短縮すべく、積極的な施策を展開しているところでございまして、御承知のとおり、国の機関においては、既に一月から四週六休制の中での土曜閉庁を導入し、地方公共団体に対してもその導入を要請しているところでございます。 本県におきましては、現在閉庁方式による四週六休制を実施しておりますが、閉庁方式については、県民生活に直接影響を及ぼす部分が大きい点を考慮して、これまで県民各層の御意見を踏まえて種々検討を重ねてまいりました。 その結果、病院などは交代制で事務を行い、週末に特に利用者の多い県立劇場、図書館などは従来どおり週末を開庁するなどにより、おおむね全体としては県民の皆さんに御理解をいただける対応が可能と判断し、今回、熊本県の休日を定める条例等関係条例を提案いたしたところであります。 今後とも、適切な行政サービスの提供と一層の公務能率の向上に努め、できる限り県民生活への影響が出ないよう努力してまいるつもりでございますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 次に、財政問題について御説明申し上げます。 まず、昭和六十三年度までの暫定措置として行われてきた国庫補助負担率の取り扱いについてでございますが、この問題につきましては、地方六団体等関係者一致して、昭和五十九年度の水準に復元するよう、国に対し誠意ある対応を強く求めてまいったことは御承知のとおりでございます。 結論といたしましては、経常経費に係るものは、補助負担率の復元、地方交付税対象税目の拡大など恒久財源措置を講じて、原則として恒久化が図られたこと、また投資的経費については、事業量確保の要請もあって、公共事業は、そのあり方を総合的に検討することを前提に、今後二年間暫定措置が継続することになりましたものの、昭和六十二年度の引き下げ分は平成三年度からは復元すること、さらに、新年度の影響額について補てん措置を講ずることなどで一応の決着を見ているところでございます。 私どもの主張が一〇〇%受け入れられたとまでは言えないまでも、補助負担率の復元が一部で行われたこと、国から地方への恒久財源の移譲による地方一般財源の充実が図られたこと、今後とも国と地方との安定した財政関係確立のため総合的な検討を行うこととされている点など考慮すれば、現時点でのやむを得ない解決方法であったかと思っております。 次に、予算関係についてでありますが、国、地方とも依然として厳しい状況には変わりございませんが、幸いに景気が好調に推移しており、税の自然増収が見込めること、また、日本電信電話株式会社の株式売却収入を引き続き活用して公共事業の確保を図ったことなどで、平成元年度の国の一般会計予算、地方財政計画とも前年度比六・六%、八・六%それぞれ増の高い伸びとなっております。 こうした状況を踏まえての本県予算は、歳入面では、消費税の創設に伴い、関係条例等の整備を行ってその趣旨の実現を図りつつ、県税、使用料・手数料等の自主財源確保、県債及び基金の有効適切な活用等に心がけ、歳出面では、引き続き行財政改革の推進を図って財政の対応力を回復することとし、限られた財源を時代の要請にこたえる施策について重点的、効率的に配分を行ったところでございます。すなわち、内需拡大を継統するための公共事業の確保、高齢化社会に対応した福祉施策の充実、社会経済環境の変化に対応できる農業、商工業対策、国際化への対応、教育・文化面の充実、水問題への対応など、多様化した行政需要に極力配慮して、シナリオに掲げた諸施策を掘り下げて推進すべく予算の編成を行ったところでございます。 以下、今回提案いたしております平成元年度予算案につきましてその概要を御説明申し上げますが、予算総額は六千百九十九億九千三百七十五万二千円で、昭和六十三年度当初予算に比較いたしますと五・二%の増と相なっております。 その主な財源は、県税千百五十九億四百万円余、地方譲与税百十四億千八百万円余、地方交付税千九百二十五億二千九百万円余、分担金及び負担金百三十六億千五百万円余、国庫支出金千三百八十四億二千三百万円余、繰入金六十億五千三百万円余、諸収入四百八十二億五千四百万円余、県債七百五十四億七千万円余でございます。 続きまして、歳出予算の主な内容について御説明を申し上げます。 まず、農業の振興につきましては、冒頭でも申し上げましたが、革新的な技術の開発、導入を図りながら、経営規模の拡大を促進し、さらに県産品ブランドを確立するなど、内外の産地と十分競争できる付加価値の高い農業の実現を目指して各種の施策を推進してまいりたいと考えております。 まず、牛肉・オレンジの自由化対策でございますが、牛肉関係については、肉用牛資源の拡大、生産の合理化を図るため、肉用牛新生産技術開発事業や受精卵供給センターなどを整備して、質の高い肉用牛の生産に取り組みますとともに、周年放牧による低コスト生産方式開発事業などを実施してまいります。 また、かんきつ関係につきましては、果樹産地強化対策指針に基づき、温州ミカンなどの再編整備、金峯ミカンのブランド化などを促進し、さらに、作業道などの基盤整備、園地転換に伴う落葉果樹産地の育成、高付加価値農業を目指した施設化などを推進してまいります。 また、米につきましては、適地適作の推進、南海百二号等の新品種導入などによる県産米改善緊急対策事業を実施して、うまい米、売れる米づくりに重点的に取り組むほか、販路拡大のためのPRに努めて、肥後米の復権を目指してまいりますとともに、本県独自の米の品種の育成にも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 さらに、現在推進しております新農業自立運動を、今後はより地域に密着させ、実効あるものにしたいと考えますし、革新的農業の実現を目指すパイロット農業地区につきましても、補助事業などを積極的に推進して整備強化を図ってまいりたいと思います。 また、高付加価値農業を実現する上で前提となる規模拡大につきましては、農地の流動化をより一層効率的に推進し、土地基盤の整備につきましても、圃場整備、かんがい排水、農道整備などの事業を引き続き計画的に推進してまいります。 なお、活力ある農業を実現するためには、農業後継者の育成確保と中核農家の育成が不可欠であり、このため、各種の研修事業を初め、ハイテク農業や自立農業経営を目指した各種の事業を推進して農業を魅力ある産業とすべく、また、農外からの新規参入者に対する相談活動、農家の高齢化対策についても積極的に取り組んでまいることといたしております。 次に、ハイテク農業の拠点となる農業研究センター(仮称)につきましては、米の品種育成などの機能充実を図るため、本場関係の整備を引き続き実施し、また、果樹及び球磨の試験研究機関の整備に着手するほか、イ業関係などの試験研究機関についても対応を図ってまいることとしており、さらに、農業公園についてもアメニティーの高い公園となるよう整備してまいることといたしております。 また、流通関係につきましては、消費地における県産品イメージの定着化や産地直送などに取り組んで、国内市場の開拓を図るとともに、付加価値の高い地域産品の海外への販路拡大などに取り組んでまいりたいと思います。 このほか、地域農業の振興を図るため、イグサ関係につきましては、高品質生産のための新品種の導入や生産技術の確立、新商品の開発などに努めてまいりますとともに、消費者の関心が高い有機農業についても調査検討してまいりたいと考えております。 なお、農業協同組合の健全化を図るため、広域合併と活性化を引き続き積極的に推進しますとともに、農家の経営改善や体質強化を図るため、農業改良資金などの各種資金の充実を図っているところでございます。特に畜産農家に対しましては、大家畜経営体質強化資金に対する利子補給を行うこととしており、また、かんきつ農家に対しましても、国の果樹等経営体質強化資金の制度創設にあわせて同様の措置を検討してまいることにいたしております。 次に、林業の振興につきましては、高付加価値化、生産コストの引き下げなどを図りながら、県産材の需要拡大などに努める必要があることは改めて申し上げるまでもございません。 このため、くまもと型新木造住宅「郷の匠」を開発し、秋津レークタウンにモデル住宅展示場を本年一月十四日にオープンいたしましたが、ここを拠点として業界、消費者の方々に広く普及促進を図りたいと思っております。また、その一助として、消費者の住まいに対する多様な要請に迅速に対応するため、電応研と提携してコンピューター設計支援システムであるキャドシステムの開発に取り組むことといたしております。 さらに、大型木造建築物の普及を図るため、新たに大型木造建築物普及促進拠点整備事業を、また、木材の品質、信頼性を高めるため、乾燥材安定供給推進事業を実施してまいることにいたしております。 また、林道作業道の整備、間伐の促進と間伐材の利用拡大、林業構造改善など、生産基盤の整備拡充を引き続き総合的、計画的に推進するとともに、国際競争に対処するため、新たに国産材生産基地整備総合対策事業を推進し、低コスト林業の確立を目指してまいります。 一方、これらの事業に取り組む林業事業体の経営の安定と林業従事者の就労の安定を図るため、林業就業基盤強化対策を推進するほか、今後とも森林組合の広域合併の促進を図ってまいることといたしております。 また、県土の保全のため、治山事業、保安林の整備を推進するほか、市街地周辺などに存する保安林を、地域住民の保健休養の場として利用できる多目的な機能を備えた森林として整備してまいります。 なお、景勝地における採石場跡地の修景緑化につきましても、関係者との協議を重ねながら進めてまいることといたしております 次に、水産業の振興につきましては、つくり育てる漁業を目指して、漁港、魚礁、漁場造成など生産基盤の整備に取り組んでまいりますほか、内水面における漁業の振興、多獲性魚類の流通加工の円滑化を図るため、水産物中核流通加工施設の整備などの推進を図ってまいります。 また、二十一世紀の漁業を目指すマリノベーション構想の実現を図るため、沖合養殖パイロットファーム開発事業、資源管理型漁業モデル開発事業、海洋生物行動制御システム開発事業を推進してまいりますほか、沿岸、沖合における有用魚類の資源管理の適正化を図るため、資源培養管理対策事業に取り組んでまいります。 漁港の整備につきましては、これまでの防波堤、係船岸の整備に加え、漁村集落改善のための環境整備事業や観光集客型の漁港の整備など、時代の要請にこたえた事業もあわせて進めることといたしております。 さらに、漁業協同組合の経営基盤の強化を図るため、漁協の合併を積極的に推進するほか、厳しい漁業経営環境に対処するため、漁業振興資金、漁業経営維持安定資金などの各種資金について必要な融資枠を確保いたしました。 また、水産関係試験研究機関の整備統合につきましては、管理研究棟を初め所要の施設の整備を進めることとし、密漁取り締まり強化のため、老朽化した漁業取締船「あそ」の代船建造を行うことといたしております。 次に、商工関係でございますが、県内における景況は、内需の拡大や円高メリットを背景に明るさを取り戻した感がありますが、急速な技術革新あるいは国民ニーズの多様化、高度化など、中小企業を取り巻く環境は依然厳しいものがあります。 このような状況を踏まえ、中小企業の活性化を図るため、技術力向上や新製品の開発などを促進する各種の助成策を引き続き積極的に行ってまいりますが、とりわけ異業種交流による新分野の開拓などを一層促進することといたしております。 また、国際展示場や阿蘇ソフトの村構想の実現化に向けてさらなる努力を図ってまいります。 中小企業金融対策につきましては、産業投資促進資金を創設して、中核企業の積極的かつ大規模な事業展開を促進することといたしましたほか、既存制度についても拡充を図ることにいたしております。 また、企業誘致につきましては、サントリー株式会社を初めとして多くの企業の進出を見ているところでございますが、さらに一層の企業誘致の促進を図るため、現行の優遇措置を拡充するとともに、地域活性化や雇用の場の創出に効果の大きい企業や外資系企業等については、低利率の融資制度を新設し、進出に当たっての環境づくりを行いました。 なお、産業デザインの振興を図るため、デザイン展の開催や各地域へのデザイナーの派遣など、引き続き積極的に取り組むことといたします。 このほか、消費税の円滑な導入を図るため、中小企業対策として、商工会、商工会議所の経営指導員などを対象とした研修会を引き続き実施いたします。 次に、観光の振興につきましては、熊本デスティネーションキャンペーンや日本一周列車事業の実施によって、昭和六十三年度も着実な成果をおさめておりますが、引き続き観光客誘致を強力に進めるため、新年度も市町村、業界と一体となって「超魅力くまもと」観光キャンペーン事業を実施することといたしました。 また、国が策定した「九〇年代観光振興行動計画」に基づく第一回観光立県推進地方会議の開催対象地域に本県が選定されておりますが、国、観光関連業界とのタイアップによる初めての全国キャンペーンを実施することといたしております。 さらに、魅力ある観光地づくりのため、観光施設の整備充実を重点的に促進してまいりたいと思っております。 次に、労働関係につきましては、地域の特性を生かした効果的な地域雇用開発の推進を図るため、熊本県地域雇用開発促進協議会を設置して地域雇用対策に取り組むほか、勤労者に対する生活資金融資や住宅建設資金融資を確保いたしております。 また、中小企業に働く勤労者の福祉の向上を図るため、市町村が設置する勤労婦人青少年福祉施設に対し助成するとともに、企業における職業能力開発の振興のための所要の経費を計上いたしました。 次に、テクノポリス建設につきましては、研究開発拠点としてのテクノ・リサーチパーク内に、既にテクノポリスセンター、電チ応用機械技術研究所、熊本大学地域共同研究センターが稼働し、また、進出決定八社のうち一社が操業を始め、新年度内にはさらに数社が操業を開始する子定になっております。 テクノ中央緑地もほぼ完成し、すばらしい環境の中で、地域発展に寄与する産、学、行政一体となったテクノポリスの建設を一層推進してまいります。特に、二十一世紀に向けて地域産業の発展を担う人材の育成については、熊本テクノ大学の内容の充実を通じて積極的な事業の展開を図ることといたしております。 次に、高度情報化社会への対応として、情報資源都市構想を推進し、質の高い情報の生産、収集と蓄積、発信の基地を目指しておりますが、土地信託制度を活用して建設を進めている熊本テクノプラザビルを、情報と産業支援機能を備えた拠点施設と位置づけ、行政と民間とが一体となった整備を進めてまいりたいと考えております。 また、情報産業振興のため、人材育成、啓蒙普及を中心としたシグマサブセンターの整備を推進するとともに、広域流通ネットワークづくりを目指すニューメディア・コミュニティー構想に対して、運営主体である第三セクターへの出資に要する経費を計上いたしております。 さらに、ニューメディアを活用した高等教育、いわゆるファインズ計画の推進並びにテレトピア計画の推進につきましては、引き続き内容の充実を図ってまいります。 次に、国際交流の推進につきましては、国際化の波に受動的に対応するだけでなく、積極的に対応して地域の活性化に活用していくことが大切であり、姉妹提携先との交流についても、「ヒト、モノ、情報」などの交流をさらに活発に行ってまいりたいと思います。 また、地方の国際化には、行政レベルだけでなく民間レベルにおける国際交流の活性化が非常に重要であります。このため、熊本国際交流活性化連絡協議会と連携を図りながら、県下の国際交流団体を育成するとともに、民間団体と共同してさらに国際交流を進めてまいる考えであり、さきに申し上げた公益信託の活用に当たっては、これらの点を十分に考慮してまいりたいと存じます。 このほか、最近の円高進行に伴い、外国人留学生の生活が厳しいものになっているため、私費留学生を対象に、奨学金制度の創設、国民健康保険への加入補助、民間団体と連携した宿舎の確保など、外国人留学生の住みやすい環境づくりを進めてまいることにいたしております。 次に、教育につきましては、国際化、情報化などこれから大きく動いていく時代の流れの中で、本県が的確に対応していくためには、何よりも個性的で創造力豊かな人材の育成が重要であります。そのためには、優秀な教師の確保、教師自身の指導力の涵養が大切であります。そこで、教員の資質向上を図るため、初任者研修を小学校においては本格実施し、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校は試行を継続することといたしております。 また、高等学校の産業教育担当教員を企業などに派遣する職業教育担当教員企業研修、教育先進県へ高等学校教員を派遣する教員の他県研修を新たに実施いたします。 さらに、学校教育の活性化を図るため、高い専門性や識見を備え各界で活躍されている人生経験豊富な方々を招聘し、直接子供の指導をしていただく特別講師招聘事業を実施することといたしております。 また、地域や学校の特性などに配慮しながら、生徒の多様化、産業構造の変化及び先端技術の進展などに対応するため、これまでも、全国的にもユニークな国際観光科を初め、バイオ工学科、電子機械科、国際コースなどの学科改編などにより、特色ある学校づくりを推進してまいりましたが、新年度も、熊本工業高等学校に情報システム科、球磨工業高等学校に伝統建築コース、熊本商業高等学校に国際経済科の新設などを打って、個性に応じた能力の開発、社会のニーズにこたえる人材の育成に一層努めてまいりたいと存じます。 なお、英語教育の充実と国際化へ向けて英語指導助手を増員し、より一層充実を図るとともに、英語指導助手を活用した英語教員コミュニケーションセミナーを実施するほか、米国・モンタナ州へ高校生を派遣し、農業、商業、文化など幅広い分野について研修を行い、あわせて、相互の理解と親善を深めるため、アメリカン・ロッキーの翼を企画いたしております。 また、高度情報化社会に対応するため、昭和六十一年度から三カ年計画で推進してまいりましたマイ・タッチ計画は、三千七百台のパソコン導入と千五百人の教員研修を終了するなど順調な成果をおさめてまいりました。これらの成果を踏まえ、情報化教育のより一層の発展を図るため、新年度から「マイ・タッチ計画ステップⅡ」を発足させ、情報化教育についてさらに充実強化を図ってまいります。 このほか、体育・スポーツの振興につきましては、来る平成十一年の国民体育大会の本県開催に備え、重要な主会場候補地の選定、施設整備の検討、競技力向上対策などを引き続き計画的に進めてまいります。また、生涯スポーツを目指した熊本二十一スポーツプランを引き続き展開するほか、高等学校の体育・スポーツを通じた特色ある学校づくりを一層推進することといたしております。 また、私学の振興につきまして、経常的経費補助の増額を初め各般の施策を充実させ、教育条件の維持向上、父母負担の軽減、学校経営の健全性の確保に資するとともに、個性ある私学教育の一層の推進を図ることといたしております。 なお、熊本女子大学につきましては、語学教育の強化並びに教育研究の充実を図ってまいりますとともに、社会の成熟化、国際化の進展に対応するための整備を推進してまいります。 次に、社会福祉につきましては、核家族化と人口の高齢化に伴い、福祉ニーズの多様化が進んでいる中で、地域における福祉課題はその地域で解決していくことを基本に、効率的なネットワークづくりが必要となっております。そのため、中核となる市町村社会福祉協議会の育成強化に努めるとともに、引き続き福祉コミュニティーづくり事業を実施するほか、福祉ボランティアの町づくり、協力校の指定などを行うことといたしております。 また、民間福祉活動の拠点としての機能を備えた総合福祉センターを中央児童相談所跡地に建設するため、実施設計に係る経費を計上したほか、相談機能を一元化し、利用者の利便を図るため建設を急いでいた福祉総合相談所は四月からオープンする運びとなっております。 次に、高齢者対策につきましては、人生八十年時代を迎え、長い高齢期を健康に幅広く社会参加ができるよう「第一回高齢者スポーツ・文化の集い」を開催することといたしております。また、元気な高齢者の方々が、体の弱い高齢者の方々を支える社会づくりを目指した「ふれあい・アンド・ヘルプ事業」を実施するほか、高齢者の在宅福祉を拡充するため、家庭奉仕員の増員を図るとともに、引き続きデイサービスセンターの増設、特別養護老人ホームなどの施設整備にも努めてまいります。 児童福祉対策としましては、核家族化の進行や就労婦人の増加など、児童を取り巻く環境の変化に対応した施策を推進し、引き続き児童の健全育成に努めてまいります。 また、心身障害者福祉対策としましては、障害者援護施設の充実、身体障害者社会参加促進事業の推進を図るほか、新たにモデル市町村を指定して、障害者の生活環境の改善、福祉サービス、啓発などを総合的に展開する障害者の住みよいまちづくり事業などを実施し、障害者の自立促進と社会参加の環境づくりを推進してまいります。 次に、交通安全対策につきましては、安全で快適な交通社会の実現を目指して、交通安全意識高揚の県民運動を展開し、新年度は、特に交通マナーの向上に取り組むほか、交通安全施設の整備、被害者救済対策にも引き続き努めてまいります。 また、女性地域リーダー育成、婦人問題総合啓発などの新規事業を実施し、婦人の地位向上と社会参加を積極的に促進するとともに、従来までの女性人材バンク事業などの一層の活動充実を図るほか、経済社会環境の動向に即応した消費生活の安定と向上を図るため、消費者に対する啓発、苦情相談などを行って、特に近年被害が拡大している高齢者層、若年層のトラブル防止に努めてまいります。 次に、保健衛生関係につきましては、特に県民の健康づくりを強力に推進するため、地域の健康づくりを総合的に推進するくまもと八十ヘルスプラン事業を継続して展開するほか、新年度には、さらに在宅看護教室の推進による地域の相互扶助グループの育成、運動を取り入れた積極的な健康づくりを図ってまいりたいと考えております。 また、がん対策といたしまして、財団法人熊本県成人病予防協会に対し、子宮がん検診車の整備に要する経費の助成を行って、がん検診の受診率向上に努めますほか、県成人病検診管理指導協議会にがん登録・評価部会を設置し、がん患者の実態を正確に把握し、がん検診の評価について検討してまいります。 さらに、急増する腎不全疾患に総合的に対応するため、財団法人熊本県アイバンク協会の事業を拡大し、腎あっせん業務も行う財団法人熊本県角膜・腎臓バンク協会(仮称)の設立が予定されており、その設立に対して出資を行うことといたしております。 また、在宅寝たきり老人や心身障害者などに対する歯科医療体制の整備を図るため、訪問歯科医療の可能性や問題点について調査、検討を実施してまいりますほか、精神衛生対策として、障害者の社会復帰の促進を図るため、家族会連合会に対して、共同作業所新設とその運営に要する経費の助成を行ってまいります。 次に、保健医療の基盤づくりにつきましては、献血推進を図るため、熊本県赤十字血液センターに対し、移動採血車の更新に要する経費の助成を行うとともに、上益城郡医師会に対して、看護高等専修学校の全面改築に要する経費の助成を行うことといたしております。 また、生活環境保全対策として、河川などの汚染防止を図る上で、公共下水道と並び効果のある合併処理浄化槽の普及向上のため、整備費の補助を大幅に拡充したほか、廃棄物の不法投棄に効果的に対応するため、廃棄物処理民間監視員制度を設けることといたしました。 次に、文化の振興についてでありますが、後世に残せるものは文化であり、また、あすの地域づくりに欠かすことができないのも文化でございます。このような観点に立って熊本県文化振興基本条例を制定いたしましたが、新年度は、まずこの中にある文化振興基本方針を文化振興審議会にお諮りし、十月ごろまでをめどに策定することといたしました。 また、地域文化の活性化を目指す第二回目の県民文化祭を新年度は玉名市で開催するほか、新たに県下高校生の総合文化祭を開催することといたしております。 このほか、第五回国際青少年音楽フェスティバルを、県立劇場やアスペクタ会場のみならず熊本市ほか七市町村で地方開催して、多彩な国際文化交流の催しとなるよう企画をいたしております。 また、文化財の保護につきましては、古墳、遺跡などの文化財を保存、活用するモデル地域として建設を進めております菊池川流域の風土記の丘整備で、この施設の中核となる資料館の建設に着手することといたしております。 さらに、県下の民俗芸能の伝承の実態や遺跡分布の詳細など、文化財調査に計画的に取り組み、貴重な文化財の適切な保存と活用に一層の努力を重ねてまいりたいと存じます。 次に、緑化の推進につきましては、新年度が「くまもと緑の三倍増計画」策定後五年目という節目の年に当たり、今までの事業の推進状況をチェックしたいと思いますし、また、昨年度から始めたモデル緑化地区の指定を引き続き実施して、計画の着実な達成に努力してまいることといたしております。 景観対策につきましても、大規模行為の届け出、景観形成地域、特定施設届け出地区の指定を行い、景観形成上の指導などを実施しておりますが、昨年度は約千六百件の届け出があっており、県民各位の御協力と御理解を得て、引き続き景観条例の適正かつ円滑な運用を図ってまいります。 ところで、道路の緑化、電線類の地中化などを行って魅力あるまちづくりを推進しておりますが、新たに橋梁景観として白川にかかる大甲橋を「くまもとアートポリス'92」の出品作品として位置づけ、その整備を図ることといたしました。 また、三角―本渡間の国道を「ハマボウ・フラワー・ロード」と命名し、道路沿線に天草自生のハマボウを植栽し、天草へ通ずる沿道景観の整備を行ってまいります。 また、昨年改正した屋外広告物条例につきましては、違反広告物に対する指導、除去をきめ細かく進めておりますが、新たに観光案内の公共広告物につきましても、種類、目的ごとのデザインの向上などを検討してまいりたいと思います。 次に、水資源対策につきましては、昭和六十三年度に策定を完了した熊本県長期水需給計画の具体化を図るため、新規水資源開発のための調査を進めることといたしております。 また、地下水保全対策につきましては、地下水利用の合理化の推進を図るため、家庭用水、工業用水、都市活動用水のそれぞれの指導指針に基づき、節水・合理化設備の設置指導を行うとともに、くまもとウォーターフェアの開催や広報媒体の活用などにより、県民への節水・合理化の普及広報に一層努めてまいります。 さらに、人工涵養の推進につきましては、畑地の雨水浸透及び浸透池のモデル実験を引き続き実施するほか、新たにビニールハウス圃場における雨水浸透モデル実験を実施することとしており、地下水情報管理システムの構築につきましては、引き続き情報の収集と一部システムの構築を行うことといたしております。このほか、親水空間の造成のための全体計画の策定並びに昭和六十三年度に作成した小学生副読本「くまもとの水」の印刷、配布を行うことといたしております。 次に、地域振興につきましては、これからの新しい熊本づくりを進める上で、地域の個性、創造性を重視し、「どこよりもここだけ」といった得意わざが持てる取り組みが必要であると考えております。 このような視点から、地域振興における日本一づくり運動はこれまでも積極的にその推進に努めてまいりましたが、新年度は、先ほどの公益信託の創設による地域づくりの支援のほか、活力と個性ある地域づくり推進事業補助の拡充を行い、特に全国のモデルとなる事業に対しては重点的な支援を図るとともに、複数の市町村にわたる広域的な事業の展開についても積極的に推進してまいることといたしております。また、新たに民間が取り組む街づくり整備などに対しても、地元市町村と共同で低利の融資制度を設け、支援を行うことといたしております。 個々の地域振興策といたしまして、阿蘇地域につきましては、この地域の持つ雄大な自然景観などを背景にして、国際的な高原リゾート基地の形成を目指しているところであり、このため、景観条例の活用とともに民間事業者の適切な誘導を図ってまいりたいと考えております。また、南阿蘇鉄道が行うトロッコ列車の増発などのための施設整備に対し、経費の一部助成を行ってまいります。 天草地域につきましては、天草らしい個性を活かした海洋性リゾート基地構想を推進しておりますが、昨年末にはリゾート法に基づく基礎調査結果を国に提出しており、今後構想の実現とリゾート法の地域指定に向けて努めてまいります。 また、人吉・球磨地域につきましては、本年中には九州縦貫自動車道が人吉市まで開通し、大きな転機が予想されますが、当地域特有の文化や資源を見直し、地域が一丸となった地域振興策に取り組んでまいりたいと存じます。 水俣・芦北地域につきましては、現在水俣振興推進本部を設置し、地元とも協力しながら、地域振興の柱となる水俣湾埋立地活用策につきまして基本構想の策定に取り組んでいるところでありますが、新年度は個々の事業についての具体的な検討を進めてまいることといたしております。 このほか、荒尾・玉名地域における大きなプロジェクトであります九州アジアランド構想につきましても、引き続き地元市町、三井グループ、地元財界との連携を図り、国の各種事業を取り込みながらその実現化に向けて努力をしてまいる考えであり、特に多極分散型国土形成促進法に基づく基本構想の策定を行い、振興拠点地域としての国の承認を得るべく努力してまいりたいと思います。 なお、県南地域の振興策として、八代市に建設を進めている県南運動公園につきましても事業の進捗を図ってまいります。 次に、過疎地域の振興対策につきましては、現行の過疎地域振興特別措置法が新年度末に期限切れとなりますが、今後の具体的な過疎振興のあり方を探るため、過疎地域の活性化方策に関する調査を実施することといたしました。 なお、離島振興対策としましては、離島振興計画に定められている各種事業の着実な推進を図るとともに、特に本県でただ一つ町全体が離島である御所浦町について、天草上島東海岸地域の今後の開発動向も踏まえた研究調査を実施いたします。 次に、公共事業につきましては、県土の均衡ある発展と社会基盤の整備を図るとともに、内需拡大を持続してまいるため、厳しい財政事情ではありますが、財源の重点配分を行ったところであり、総額で千七百二十八億円余と対前年度比で六・三%増を計上いたしております。 この内訳は、補助・直轄事業費千三百三十八億円余、単独事業費三百五十二億円余、災害復旧事業費で三十七億円余となっております。 道路交通体系の整備につきましては、九州縦貫自動車道八代―人吉間が本年末には供用できる見通しであり、人吉―えびの間も早期開通を目指し昨年事業着手され、また、南九州西回り自動車道は八代―日奈久間が既に事業着手されるなど、本県交通網の骨格ともいうべき道路整備は着々と進んでおります。九州横断自動車道延岡線、三県架橋についてもその早期建設が図られるよう、国、日本道路公団に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。 このほか、国道五十七号東バイパスからJR豊肥線をまたぐ県道住吉熊本線の完成、高森町の九十九曲がりの解消を図る国道二百六十五号高森バイパスの開通など着実な整備を見ておりますが、今後とも、第三空港線の事業促進、国道四百四十五号の四車化、熊本港、八代港への連絡道路などの幹線交通網の整備を重点的に進めてまいりたいと考えております。 また、河川改修につきましては、引き続き流域の開発や進展に対応した整備を進めてまいりますが、あわせて、水辺の環境整備事業として江津湖の浄化対策を、坪井川、水俣川でふるさとの川モデル事業を実施するなど、潤いのある河岸づくりを推進してまいります。 次に、水源対策として、川辺川ダム、竜門ダム、石打ダムなどの建設を引き続き推進するほか、新たに熊本都市圏の洪水調節と地下水涵養を目的とした高遊原地下浸透ダムの調査を開始いたします。 また、空港の整備につきましては、熊本空港の施設機能の一層の向上を図りつつ、就航率の向上を図るため、これまでの諸調査に加えて新たに霧の消散設備に関する研究を行う予定であり、事業採択された天草空港の建設につきましては早期完成に向けた取り組みを行ってまいります。 このほか、ローカルエネルギー開発につきましては、小国地区で地熱の開発に取り組んでおりますが、地熱の多目的利用を図るため、農林業あるいは室内スキー場を核とする大規模リゾート開発への活用を引き続き検討してまいりたいと考えております。 なお、単独事業の道路改良などにつきましては、市町村に事業費の一部負担をお願いし実施しておりますが、今回、市町村からの御要望もあり、負担率の引き下げを行ってまいることといたしております。 次に、公害対策でございますが、まず水俣病関係では、認定業務につきまして、未処分者の大半を占める特別な事情にある方々の処分の促進を図るとともに、認定業務促進のため検診装置等の充実を図っております。また、水俣湾公害防止事業につきましては、平成元年度の事業完了に向け、湾内の魚介類対策などを総合的に講じてまいるほか、八代海全域の環境調査を実施することにしております。 また、引き続き工場などに対する規制指導の徹底、環境監視の強化を図るほか、河川などの水質浄化対策として、先ほども申し上げましたが、他府県に先駆けて融資制度を新設するなどして合併浄化槽などの設置を促進してまいります。 次に、警察関係につきましては、熊本北警察署の改築を引き続き進めますとともに、悪質・広域化する犯罪に迅速に対応するため、パソコンのネートワーク化、装備資機材の近代化、科学化を図るほか、特に暴力団、暴走族対策を強力に推進してまいります。 さらに、関係団体との連携を密にして意識啓発に努め、多発する交通死亡事故の抑止を積極的に行うこととし、また、道路危険箇所調査に基づく交通安全施設の整備を一層推進することとしております。 以上が、平成元年度予算案の主な概要であります。 また、今定例会には昭和六十三年度補正予算案をあわせて提案いたしておりますが、その主なものは、牛肉・オレンジ自由化対策の一環としての農山漁村活性化対策事業、消費税の創設などに伴い、老齢福祉年金など受給者の生活安定と福祉向上のための臨時福祉特別給付金の支給、私立高等学校などに対する経常費助成費補助、消費税導入円滑化のための中小企業対策、先ほども申しました湯前線のイベント列車購入に対する宝くじ助成を活用した補助、国の補助内示増減に伴う公共事業費の増減及び内容更正、好景気などに伴う生活保護費の減額などでございまして、総額では二十八億五千四百二十七万千円の減額補正となっております。 今回補正の結果、昭和六十三年度現計予算は六千三百三十六億七千五百九十四万九千円と相なるわけでございます。 以上、県政運営に対する考え方及び予算案などについて御説明申し上げましたが、今定例会には、熊本県税条例の一部を改正する条例等各種条例案件、事件議決案件、知事専決処分の報告及び承認などもあわせて御提案申し上げており、また、今会期中に条例案件を追加提案申し上げる予定でございます。 これら議案につきまして、よろしく御審議の上適当な御議決をいただきますようお願い申し上げ、私の説明を終わらせていただきます。(拍手)      ―――――――○――――――― △日程第五 人事委員会の意見 ○議長(米原賢士君) 次に日程第五、ただいま議題といたしました議案のうち、第五十四号、第五十五号、第五十七号及び第九十号につきましては、職員に関する条例案であり、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を聞く必要がありますので、ただいまから人事委員会の意見を求めます。人事委員会委員長成瀬和敏君。  〔人事委員会委員長成瀬和敏君登壇〕 ◎人事委員会委員長(成瀬和敏君) 本議会に提案されました第五十四号、第五十五号、第五十七号及び第九十号の各議案のうち、地方公務員法第五条第二項に規定する職員に関する事項の部分について、人事委員会の意見を申し述べます。 まず、第五十四号議案のうち、職員等退職手当支給条例の一部改正の部分は、土曜閉庁方式の導入に伴い、退職手当の額の算定における日数を改めるものでありまして、国の措置に則した適当なものと考えます。 次に、第五十五号議案は、職員の勤務時間に関する条例等の一部改正でありまして、その内容は、原則として毎月の第二土曜日及び第四土曜日を勤務を要しない日とすることによる四週六休制を実施するための所要の改正であります。 このような土曜閉庁方式の導入につきましては、昨年十月、本委員会が議会及び知事に報告した趣旨に沿ったものであり、また、本年一月から実施されている国家公務員の実施内容に準じたものでありまして、適当な措置と考えます。 また、第五十七号議案及び第九十号議案は、いずれも職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正でありまして、手当の額を国に準じて改定すること等の内容であり、適当なものと考えます。      ―――――――○――――――― △日程第六 議案第一号から第十五号まで及び第四十三号から第五十三号まで(委員会付託) ○議長(米原賢士君) 次に日程第六、ただいま議題といたしました議案のうち、第一号から第十五号まで及び第四十三号から第五十三号までにつきましては、いずれも時期的に先議の必要があると認められますので、これを各常任委員会に付託して審査いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米原賢士君) 御異議なしと認めます。よって、議案第一号から第十五号まで及び第四十三号から第五十三号までにつきましては、各常任委員会に付託して審査することに決定いたしました。 各付託議案は、議席に配付の平成元年二月熊本県定例県議会議案各委員会別一覧表(昭和六十三年度二月補正関係)のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕      ―――――――○――――――― △日程第七 休会の件 ○議長(米原賢士君) 次に日程第七、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。明二十八日及び三月一日は議案調査のため、三月二日は各常任委員会開会のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(米原賢士君) 御異議なしと認めます。よって、明二十八日から三月二日まで休会することに決定いたしました。      ―――――――○――――――― ○議長(米原賢士君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 明二十八日から三月二日までは休会でありますので、会議は来る三月三日午前十時から開きます。日程は、議席に配付の議事日程第二号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午前十一時五十二分散会...